出現する巻と本文(新日本古典文学大系 源氏物語;岩波書店) |
「藤袴」 p94-2 おなじ野の露にやつるる藤袴あはれはかけよかことばかりも 「匂宮」 p219-8 秋の野に主なき藤袴も、もとのかほりは隠れて、なつかしきをひ風ことに、おりなしからなむまさりける。 「匂宮」 p219-14 ......御前の前栽にも、春は梅花園をながめ給、秋は世の人のめづる女郎花、小牡鹿の妻にすめる萩の露にもをさをさ御心移し給はず、老を忘るゝ菊に、おとろへ行藤袴、物げなきわれもかうなどは、いとすさまじき霜枯れのころをひまでおぼし捨てず、などわざとめきて香にめづる思をなん立てて好ましうおはしける。 |