出現する巻と本文(新日本古典文学大系 源氏物語;岩波書店) |
「帚木」 P52−15 御心のまゝに折らば落ちぬべき萩の露、拾はば消えなんと見る玉笹の上のあられなどの、艶にあえかなるすきずきしさのみこそをかしくおぼさるらめ、 「若菜」 P259-10 水鳥の青葉は色もかはらぬを萩の下こそけしきことなれ 「御法」 P170-12 をくと見る程ぞはかなきともすれば風に乱るる萩の上露 「匂宮」 P219-13 小牡鹿の妻にすめる萩の露にもをさをさ御心移し給はず、老を忘るゝ菊に、おとろへ行藤袴、物げなきわれもかうなどは、いとすさまじき霜枯れのころをひまでおぼし捨てず、 「東屋」 P169-03 兵部卿宮の萩のなをことにおもしろくもあるかな。いかでさる種ありけん。 "参考" <はぎのえん> 「横笛」 P064-11 かの衛門督は、童よりいとことなる音を吹き出でしに感じて、かの宮の萩の宴せられける日、をくり物にとらせたまへるなり。 <こはぎ> 「桐壺」 P012-11 宮城野の露吹き結ぶ風の音に小萩が本を思ひこそやれ 「桐壺」 P016-03 荒き風ふせぎし陰の枯しより小萩がうへぞ静心なき 「野分」 P037-03 南のおとゞにも、前栽つくろはせ給ひけるおりにしも、かく吹き出でて、もとあらの小萩はしたなく待ち得たる風のけしきなり。 「椎本」 P357-08 牡鹿なく秋の山ざといかならむ小萩が露のかかる夕ぐれ 「東屋」 P169-10 しめ結ひし小萩がうへもまよはぬにいかなる露にうつる下葉ぞ 「東屋」 P169-12 宮城野の小萩がもとと知らませば露も心をわかずぞあらましいかでみづから聞こえさせあきらめむ |