<桐>
出現する巻と本文(新日本古典文学大系 源氏物語;岩波書店)
<参考>

「桐壺」 @P006-06
御局は桐壺なり。あまたの御方がたを過させ給ひて、ひまなき御前渡りに、人の御心をつ
くし給ふもげにことわりと見えたり。

「桐壺」 @P022-06
母后、あなおそろしや、春宮の女御のいとさがなくて、桐壼の更衣のあらは
にはかなくもてなされにしためしをゆゝしう、と覚しつゝみて、すがすがしう
もおぼし立たざりける程に、后もうせたまひぬ。

「花宴」 @P278-04
桐壺には人人多くさぶらひて、おどろきたるもあれば、かかるを、「さも
たゆみなき御忍びありきかな」とつきしろひつつ、そら寝をぞしあへる。

「須磨」 AP039-07
この君かくておはすと聞きて、母君に語らふやう、「桐壺の更衣の御腹の源氏の光君こそ、
おほやけの御かしこまりにて、須磨の浦にものし給なれ。

「若菜上」BP256-15
桐壺の御方は、うちはええまかでたまはず。御暇のありがたければ、心やす
くならひ給へる若き御心に、いとくるしくのみおぼしたり。

「若菜上」BP268-15
年かへりぬ。桐壺の御方、近づきたまいぬるにより、正月朔日より御すほう
不断にせさせ給。

「若菜上」BP294-05
「これかれはべりつ」、「こなたへまかでんや」との給て、寝殿の東面、桐壺は若宮具したてま
つりてまいり給いにしころなれば、こなた隠ろへたりけり。

「若菜下」BP312-15
聞こしめしをきて、案のごとく、桐壺の御方より伝へて、聞こえさせ給けれ
ば、まいらせたまへり。

源氏物語の植物へ戻る