出現する巻と本文(新日本古典文学大系 源氏物語;岩波書店) |
「須磨」 P25-10 ひたすら世になくなりなむは言はむ方なくて、やうやう忘れ草も生ひやすらん、聞くほどは近けれど、いつまでと限りある御別れにもあらで、おぼすに尽きせずなむ。 「宿木」 P44−11 さて中中みな荒らしはて、忘れ草生ふして後なん、この右のおとゞも渡り住み、宮たちなども方方ものし給へば、むかしに返たるやうにはべめる。 「浮舟」 P248-15 親もしばしこそ嘆きまどひ給はめ、あまたの子どもあつかひて、おのづから忘れ草摘みてん、ありながらもてそこなひ、人笑へなるさまにてさすらへむは、まさる物思ひなるべし、など思ひなる。 |